米国の民間救急
米国シアトルには公的救急機関「MEDIC-ONE」と民間救急機関「AMR」があります。
市民もそれぞれの利用法を十分理解していますし、公的救急機関「MEDIC-ONE」は民間救急機関「AMR」のサポートを受けてこそ、その活動が可能となっています。米国では公民一体となって市民の生命を守っているのです。
ホームページ「HIGEさんのスポーツ救命救急」のページより抜粋してご紹介します。
米国シアトルの公的救急機関「MEDIC-ONE」
公的救急機関「MEDIC-ONE」は、緊急性の高い疾患や外傷を負った市民のための救急車であり、緊急性の低い患者は原則として対象としていません。シアトル市内には7隊の「MEDIC-ONE」があり、911番通報により出動します。
現場に到着後、緊急度が低いと判断された場合には、一緒に行動している消防隊に後を任せ、「MEDIC-ONE」は一足先に現場を引き上げ、速やかに次の出動に備えます。
残った消防隊は、緊急性が低い旨を患者に説明し、民間救急機関「AMR」による医療機関への搬送を希望するかどうかを患者に確認します。希望した場合には、消防隊から民間救急隊を要請し、引き継ぎを行った後、現場を引き上げます。
また、「MEDIC-ONE」には病院間転送搬送という業務はありません。そういった業務はすべて「AMR」に任せています。
米国シアトルの民間救急機関「AMR」
民間救急機関は全米にありますが、シアトルでは「AMR」が民間救急業務を実施しています。料金は通常400ドル(約40,000円強)とかなり高額ですが、保険加入者は保険が適用されます。
民間救急機関といっても、乗務している救急隊員は専門の訓練を受け、装備も公的機関の救急隊と変わりません。有料ですからサービスもよく、患者の細かい要望にもきちんと応えてくれるため、市民からの信頼は厚いようです。
日本でこのようなシステムを実現することは当面は不可能と思われます。しかしながら、公民共に21世紀の救急医療を真に追求する姿勢をもって諸問題に取り組めば、それに近づくことは十分可能だろうと全民救では考えています。