【厚生労働省医薬食品局総務課よりの事務連絡】 PDFはこちら
民間救急サービス奮闘記
懸案事項でありました、「薬事法の一部を改正する法案」により患者搬送業界への医療用酸素供給不可問題に関し、3月16日、厚生労働省医薬食品局総務課よりの事務連絡(別紙)、があり、2年数カ月の長きにわたる請願・陳情活動により、全民救の主張を全面的に取り入れた内容で終止符が打たれました。
以下、陳情書全文と厚生労働省医薬食品局総務課よりの事務連絡を掲載します。
平成23年 12月16日
*****
**** 様
陳情者
一般社団法人全民救患者搬送協会
会長 野口良一
***************
薬事法の一部を改正する法律に関する陳情書
陳情の要旨
「薬事法の一部を改正する法律」の(卸売販売業における医薬品の販売等の相手方)施行規則第百三十八条、十五の「前各号に掲げるものに準ずるものであつて販売等の相手方として厚生労働大臣が適当と認めるもの」に民間患者等輸送事業所を医療用酸素に限り該当させていただきたく陳情いたします。
陳情の理由
薬事法の一部を改正する法律の施行(平成21年6月1日)に伴い、民間患者等輸送事業所(以下、民間救急サービスという)では、医療用酸素ガスの確保が不可能となり、酸素を必要とする患者様の「命のリレー」が絶たれようとしています。
救急車の適正利用を全国的に訴えている昨今、その対策の一環として、緊急を必要としない傷病者の転院搬送等を、民間救急サービスが行う方向にあります。
緊急を必要としない転院搬送等であっても、末期癌・脳疾患・肺疾患・心疾患等や人工呼吸器を使用している患者様の多くは酸素を使用しています。また、搬送元の医師あるいは看護師が同乗し、酸素や点滴等の処置を継続しながら搬送するケースも少なくはありません。
投与流量が少なく短時間の搬送であれば、搬送元医療機関の酸素ボンベを積み込むことも可能ですが、高流量長時間搬送に必要とされる酸素の積み込みは諸事情により極めて困難であります。
転院等の移動手段を民間救急サービスに頼っている医療機関では、酸素供給装置が搭載されていることを前提に移送計画をたてているため、全国の医療系民間救急サービスでは、その絶対的必要性から全ての搬送車に搭載しています。
民間患者等搬送事業は、国土交通省の許可及び平成元年からは総務省消防庁の指導基準に基づき所轄消防本部の認定を受け、消防救急対応外の搬送を担ってきました。
他国では公的救急と民間救急が一体となって救急現場に出動し市民の生命を守っているという今日、国内ではこのような法律の壁により日本の民間救急サービスの存在をも否定されようとしています。
救命を主眼とする消防救急の円滑な活動を支援するため、消防救急対応外の移送ニーズに対応し、救急医療を支える一員として確立しつつある民間救急サービスにとって、当該改正法の施行は、まさに「時代の逆行であり」「命のリレー」を途絶えさせてしまう法律であります。
なお、民間救急サービス事業者が患者搬送車両に酸素を搭載しているのは、販売を目的としているのではなく、酸素を必要不可欠とされる患者様のニーズに対し、その移動環境を確保し提供すること及び、急変時における消防救急への載せ替えまでに行なわなければならない救命処置等の必須資器材として常備しております。
これらの状況を十分理解していただき、医療用酸素ガスの確保・搭載を可能として頂きたく、「薬事法の一部を改正する法律」の(卸売販売業における医薬品の販売等の相手方)施行規則第百三十八条、十五の「前各号に掲げるものに準ずるものであつて販売等の相手方として厚生労働大臣が適当と認めるもの」等に該当させていただきたく陳情いたします。

平成23年11月25日
薬事法の一部を改正する法律に関する陳情の件で平岡秀夫法務大臣事務所を訪問しました。
相談担当 池田達郎秘書
訪問者 全民救会長・副会長
(関東支局会)
東京支局・神奈川西支局・千葉支局
千葉南支局・埼玉支局・栃木支局
平成23年12月16日、薬事法の一部を改正する法律に関する陳情書を民主党幹事長輿石 東先生宛に民主党国会議員第15控室にて梅村聡参議院議員、池口修次参議院議員(国土交通副大臣)に手渡しました。
全民救会長 野口良一
副会長 広城 茂
西神奈川支局 小谷哲司
=========================
同日、厚生労働大臣小宮山洋子先生宛ての同陳情書を厚生労働省にて藤田一枝衆議院議員厚生労働大臣政務官に手渡しました。
全民救会長 野口良一
副会長 広城 茂
西神奈川支局 小谷哲司
民間救急について (PDFはこちら)
研究室名 医療安全管理学
指導教員 川 村 治 子
杏林大学保健学部救急救命学科
関 山 隆 人
目 次
1.目的
2.方法
3.結果(情報収集の内容)
(1)民間救急の歴史と概要
(2)海外における公営救急と民間救急
(3)現状の問題
4.考察
5.結論
6.謝辞
7.文献
8.図表
.目的
祖父の介護を通じ、消防の救急車のみならず、民間救急、介護タクシー等を利用する場面が度々あった。それぞれの実態を利用者として垣間見た事で、民間救急(患者等搬送事業)の事情というものに深い関心を持つようになった。今回は、その民間救急の特徴やシステム、海外との比較、現状の問題、そして将来展望について調べ、考察する。
2.方法
民間救急をキーワードに、インターネット、及び東京消防庁HP、ヨミダス文書館(読売新聞HP)、ライフイベントネットなどのデータベースを検索し、情報の収集を行った。また、全国民間救急サービス事業者連合会の協力のもとに情報を得た。
3.結果(情報収集の内容)
1 )民間救急の歴史
民間救急の歴史を表にした(表1)。そもそも、何故民間救急制度は導入されるに至ったのか。その背景には、東京消防庁の「財政難」と「救急活動への支障」が主な理由とされている。財政難ということで、救急活動にかかるコストについて調べた。
救急活動のコストには3つの要素がある。傷病者への観察・処置・ケアにかかる「直接」コスト、救急活動を維持・向上させる「間接」コスト、そして救命士の養成などにかかる「教育」コストである(表2)。今回は直接コストの中の、救急出動に注目する。
平成 20 年の搬送の傷病者の重症度については、軽症が約半数を占め、約253 万 人であった。そして、救急出動1件あたりのコストは約45,000円かかる。この年において、軽症の搬送にかけたコストを計算してみると、およそ1140億円かかっていたことになる。
すべての需要に無償で対応する現行方式はすでに限界に達しているとし、抜本的見直しを求め、民間救急制度は導入された。
2)民間救急の現状
では、民間救急は今どのような状況なのかを調べてみた。民間救急(患者等搬送事業者)は、国土交通大臣の許可を受けた旅客自動車運送事業者で、旅客を患者等に限定して搬送する事業者を指す。1989年から全国の消防本部が認定を始め、2010年4月までに、全国の694社、1152台の車両が認定を受けている。そのうち、東京都には平成23年現在、東京消防庁の指導基準に基づき認定を受けた患者等搬送事業者は、都内151社、車両数269台。八王子市には6箇所の事業所があり、車両数は10台である(表3)。
また、全国民間救急サービス事業者連合会が定める、民間救急乗務員資格(Medical Ambulance Service Technician;MAST)の有資格者数は平成23年8月現在、MAST資格者115名、MAST指導者資格36名になる。この、MASTの種類には看護師MAST、救急救命士MAST、ケアMASTがあり、それぞれ看護師23名、救命士11名、ケア81名となっている。
3)民間救急の業務
民間救急の行う業務は大きく分けて以下の4つに大別される。
(1)特殊機材を用いた患者の移動
住環境によっては、2階から1階に下ろすことだけができない、といったケースがある。救急搬送業務が有する一部分の機能だけが強く求められる場合に、民間救急は対応することが出来る。
(2)受診の為の搬送・転院搬送
寝台車の機能を利用しての「通院」「入院」「退院」「転院」を行うことが出来る。「消防の救急車」のような「緊急性がある搬送」や「介護保険制度利用の介護タクシー」のような「要介護1以上の判定を受けており、定期的に自宅から病院までの通院を行っている」以外の目的の方は利用すべきである。尚、「寝台車」を所有するタクシー会社でも同様のサービスを保険外の独自の料金設定で実施していることがある。
(3)依頼者家族の小旅行への付き添い
介護保険制度を利用しての介護タクシーではこういった利用は認められない。「民間救急車」を利用するかもしくは「寝台車」を所有するタクシー会社を利用するかになるが、料金面や安全安心面でどちらが得になるか検討してみるべきである。
(4)通院以外の目的による自宅からの移動(冠婚葬祭等を含む)
寝台車を所有するタクシー会社でも同様のサービスを保険外の独自の料金設定で実施していることがある。
4)民間救急の種類と特徴
「民間救急」と呼ばれる事業は、大きく「医療系」と「福祉系」の2種類に分類される。そして、医療系、福祉系民間救急と、消防救急のそれぞれの特徴を示した(表4)。
ポイントは、現在の法や制度では、救急救命士や看護師が同乗する医療系の民間救急であっても、医療行為ができないこと、そして緊急事態に対応するものでないということである。
5)民間救急の料金
一般的に料金は「運賃+加算料金(介護料金・消費税等)」とされている。「民間救急車」の利用は、現在「介護保険」の適応になっている訳ではないため、1時間の搬送でも約1万円と、かなり高額な料金となっている(表5)。
6)海外における公営救急と民間救急
海外との比較を行うため、アメリカ(シアトル)の公営、民営の救急について調べた。
公営救急機関の「MEDIC-ONE」は、緊急性の高い疾患や外傷を負った市民のための救急車であり、緊急性の低い患者は原則的に対象とはしていない。その為、「転院搬送」という業務もない。この公的救急機関を有効かつ適性に活用するため、現状で緊急度が低いと判断された場合は、以後を消防隊に任せ、速やかに次の出動に備える。
残った消防隊は、緊急性が低い旨を患者に説明し、民間救急機関による医療機関への搬送を希望するか否かを患者に判断してもらい、希望した場合は、消防隊が民間の救急隊を要請し民間救急機関に患者を引き継いだ後、現場を引きあげる。
民間救急機関は全米にあり、シアトルでは「American Medical Response(アメリカン・メディカル・レスポンス)」(通称AMR)が民間救急業務を実施している。料金は通常400$(約31,000円)とかなり高額ではあるが、保険加入者は保険適用となる。民間救急機関といっても、乗務している救急隊員は専門の訓練を受け、装備も公営機関の救急隊と変わらない。有料のため、サービスも良く、患者の細かい要望にもきちんと応え、市民からの信頼も厚い。「MEDIC-ONE」も「AMR」も、市民がその利用方法を十分認識し理解している。
公的救急機関「MEDIC-ONE」は、民間救急機関「AMR」のサポートを受けてこそ、活動が可能となっている。このように米国では公民一体となって市民の生命を守っている。
7)現状の問題
民間救急の抱える問題として、以下の5つが挙げられる。
(1)運用上の問題
・事前予約を中心とした計画的な運行がなされているため、突発的な要請に対する応需体制がとりにくい。
・搬送車の待機情報等が一元的に管理されていないため、配車に時間を要する。
(2)認知上の問題
・「民間救急車」の存在が広く知られていないという認知度不足。
(3)法的な問題
・民間の救急救命士の行える処置範囲や活動場所の制約や位置付け、教育の問題。
・緊急走行が出来ない。
・「介護保険」の適応外で高額な料金になることから、利用促進につながらない。
・患者等搬送事業者では、医療用酸素ガスの確保が困難である。
・メディカルコントロール協議会との関わり。
(4)費用上の問題
・住所不定者等、支払い困難な状況にある者の費用が確保できないことがある。
(患者等搬送事業者を利用する場合の救済措置を関係機関に働きかけていく必要がある。医療保険等から、患者等搬送車を利用した場合の搬送料金が補償できる特約制度を設けられるよう保険会社へ働きかけていく必要がある。)
(5)その他の問題
・利用者の心理状態を考慮しない、その他サービスの宣伝及び、勧誘行為。
4.考察
今回収集した民間救急に関する様々な情報から、まず、民間救急への期待と将来展望について考察する。
もし、救急救命士法の改正がなされ、民間救急救命士が、消防職の救急救命士と同様の位置づけ、処置範囲となれば、現在の様にBLSのみならず、本来救急救命士の行うことの出来る救急救命処置が行え、民間救急の対応可能傷病者範囲が拡大し、消防救急への負担が軽減される。また、大災害時の人手不足を解消し、消防と連携したより高度な活動が行えるであろう。
就職問題についても、新卒救急救命士の就職口や消防を定年退職した後も救命士として働きたいと思う人の再就職の場となる。ちなみに、平成22年の時点で、全国の救急救命士数が3万7千人を超えた。そのうち、救急救命士の資格を有する消防職員数は約2万3千人、それ以外の場所で働く救急救命士は1万4千人である。最近では、医師不足が日本各地で騒がれているが、医師だけではなく、せっかくこうした医療資格を取得している者がいるのならば、消防職員以外の救急救命士もその能力を最大限に活かせるようにしていくことは、医療の貴重な人的資源を有効活用でき、救急医療の効率性も高めることになると思われる(図1)。
患者等搬送事業の効率的な運用方法については、都内の民間救急事業者の搬送車両に車両動態位置管理装置を取り付けることで出動状況・待機情報などを、一元的に東京民間救急センターが管理し、これを民間救急の指令センターとして設ける事で、消防からの軽傷患者の引き継ぎ及び、消防救急車の運用効率が円滑かつ効率化し、消防救急と連携した救急活動が行えるようになる。また、搬送の質の観点から、患者の細かな要望や搬送途中での急変等に対応できるよう、全国民間救急サービス事業者連合会が民間救急の中心となり、乗務員の教育(技術・知識・接遇等)を図ると共に、消防や医療機関と連携したプロトコールを作成していくことで、サービス内容や安心安全の面でも消防救急に劣らない活躍が期待できる(図2)。
民間救急を担う患者等搬送事業者は都民、医療機関等からの搬送要請に応じた運行体制の確立等、応需体制の整備を図るべきと思われる。また、患者の安全搬送の観点から、その技術及び運用管理に係る指導を受けておくべきであることから、東京消防庁の患者等搬送事業認定や全国民間救急サービス事業連合会での教育を受けていることが望ましいと思われる。そして、搬送乗務員の資格等に応じた各種処置が実施できるよう積載資器材の充実や、患者の状態に応じて医師、看護師、救急救命士等が乗務できる体制の整備等、利用者の多様なニーズに見合ったサービスの充実を図るべきと思われる。
搬送については、患者の容態が急変し、緊急に救急処置が必要となる場合も想定されることから、今後、赤色灯やサイレンを備えた緊急自動車として運用できるよう関係機関に働きかけていくことが望ましいと思われる。なお、当面、運行時における緊急事態発生時の対策が迅速に取れるよう、関係機関との連携強化を図ることが必要であると思われる。
4.結論
救急件数の増加に伴い現場到着時間が延長することは、救命処置を必要とする傷病者に不利益をもたらすことになる。そのため、都民の生命を護る観点から、公(消防)と民(患者等搬送事業者)の役割分担を明確化し、不要不急の場合における患者等搬送事業の活用について、広報活動等を通じて積極的に喚起する必要がある。
また、東京消防庁の事業コスト、消防救急業務の負担の軽減には、患者等搬送事業を有効に活用すべきである。この患者等搬送事業の活用促進を図るためには、利用者の利便性の観点から、患者等搬送事業に係る情報を一元的に管理することや、利用者のニーズに応じた体制の整備を図ることが不可欠である。そして、患者の安全搬送の観点から、サービス内容の充実(処置範囲・携行資器材等)も併せて必要であると思われた。
5.謝辞
調査にあたっては、快く調査の実施にご協力を頂いたばかりでなく,貴重な時間をさいてくださった全国民間救急サービス事業者連合会の皆様に、心から感謝致しております。ありがとうございました。
6.文献
1)東京消防庁公式ホームページ
患者等搬送事業者一覧
(http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-kyuusidouka/kanjahanso04_ninteiitiran.html)
平成 22 年の救急出動状況(速報)について
(http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/2302/230218_1houdou/01_houdoushiryou.pdf)
患者等搬送事業者認定表示制度
(http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/kyuu-adv/kanja-hansou/kanjahansotop.html)
2)総務省消防庁
平成 20 年版 救急・救助の現況のポイント
(http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/2101/210122-2houdou_p.pdf)
3)全国民間救急サービス事業者連合会ホームページ
2011年1月6日 読売新聞記事より
(http://www.zenminkyu.com/meeting.html)
医療系民間救急サービスと福祉系民間救急サービスのちがい
(http://www.zenminkyu.com/type.html)
【全民救速報】2011/7/12 「特定 5 項目の医療行為」に対する厚生労働省の回答
(http://www.zenminkyu.com/media/kanjahansou.pdf)
HIGEさんのスポーツ救命救急のページより
(http://www.zenminkyu.com/usa.html)
4)ライフイベントネット(http://l-e.jp/advice/content0178.html)
5)救急需要対策検討委員会専門部会報告(http://www.tfd.metro.tokyo.jp/kk/kh_02.pdf)
6)第29期東京消防庁救急業務懇話会答申書(http://www.tfd.metro.tokyo.jp/kk/kk_29.pdf)
7)海外の救急事情について
(http://www.city.kobe.lg.jp/safety/fire/outline/kobesyoubo/img/3rdsiryou4-2.pdf)
8)救急医療サービスの経済分析(http://www.pp.u-tokyo.ac.jp/courses/2006/13100/documents/13100-2.pdf)
9)救急・救助六法-患者等搬送事業指導基準等の作成について
(http://aeml.umin.ac.jp/hou/0361.html)
10)患者搬送の料金表(http://www.jetro.go.jp/jfile/report/05001038/05001038_001_BUP_0.pdf)
この度、当連合会****より、「薬事法の一部改正」に伴い民間の認定患者搬送事業者が直面している医療用酸素の入手問題について、*****先生にご相談している旨の報告があり、会長としてもこの度の「命のリレー」を断たれてしまう法律の施行に、日本における民間の患者搬送サービス(俗称、民間救急サービス)の危機を感じ、患者等搬送事業に対する指導(平成元年10月4日 消防救116号 各都道府県消防主管部長あて消防庁救急救助課長通知)から20年余の歴史ではありますが、消防救急対応外の多様な搬送ニーズに応え、医療機関からの高い評価と支持をいただいている昨今の状況及び、今後の絶対的必要性をご理解頂き、{(卸売販売業における医薬品の販売等の相手方)施行規則第百三十八条 三 救急用自動車等(救急救命士法(平成三年法律第三十六号)第四十四条第二項に規定する救急用自動車等をいう。)により業務を行う事業者であつて救急用自動車等に医薬品を備え付けるもの}又は、{同法十五 前各号に掲げるものに準ずるものであつて販売等の相手方として厚生労働大臣が適当と認めるもの}に該当させていただきたくお願い申しあげる次第でございます。
救急業務は、年々増加の一途をたどり、すべての国民にとって益々かけがえのないものになっています。しかし一方で、救急車を要請する一部の人たちの中に、自己中心的とも言える不適切な利用があるのも事実です。そうした実情を背景に、現在、救急需要への適切な対応方法や救急隊員業務負担軽減等の解決策の確立が急がれています。民間の患者搬送サービスは、これらの受け皿としての社会資源的役割も担ってきております。
救命を主眼とし、傷病者の観察及び必要な応急処置を行い、速やかに適応医療機関に搬送するのが消防救急の活動の原則であり、これに対し、「民間の患者搬送事業」は、その指導基準に基づき、緊急性の少ない患者様の入退院、通院、転院あるいは社会福祉施設への送迎等、様々な移送ニーズに対応しております。
緊急を必要としない転院搬送等であっても、対象者は患者様(疾患をもった者)であり、搬送途上における様態の悪化・急変に関しては常に危惧しているところです。民間の患者搬送サービスは、法律上サイレンや赤色灯を使用しての緊急走行も許されず、病院とのホットラインもありません。車内でおきている緊急事態を周囲の車両に知らせる術もありません。
当連合会では、このような状況を常に想定し、十分な観察のもとに生命の危機を察知した際の行動として、唯一の手段である消防救急への乗せ替え要請を行うことになっております。それ故消防機関との連携は重要であり密に行うための訓練も欠かせません。
酸素の問題に戻りますが、末期癌・脳疾患・肺疾患・心疾患等や人工呼吸器を使用している患者様の大半は酸素を使用しています。また、搬送元の医師あるいは看護師が同乗し、酸素や点滴等の処置を継続しながら搬送するケースも少なくはありません。
投与流量が少なく短時間の搬送であれば、搬送元医療機関の酸素ボンベを積み込むことも可能ですが、高流量長時間搬送に必要とされる酸素の積み込みは諸事情により極めて困難であります。
転院等の移動手段を民間救急サービス事業所に頼っている医療機関では、酸素供給装置が搭載されていることを前提に移送計画をたてているため、全国の医療系民間救急サービス(福祉タクシー・寝台タクシー・介護タクシー・ケアタクシーと区別しています)では、その絶対的必要性から全ての搬送車に搭載しています。
この度の法改正により、民間の患者搬送事業所への酸素供給停止措置に関し、不利益を被るのは絶対的必要性のある国民であり、逆にメリットはどこにあるのでしょうか。
地方の病院では高度治療や特殊な検査等を受けられず、都会の大病院に転院するケースは少なくありません。この法律により酸素を必要とする患者様の移動に民間による搬送手段が断たれたとしたら、残された選択肢は消防救急以外に対応する機関はありません。
米国シアトルでは、「MEDIC-ONE」が緊急性の高い疾患や外傷を負った市民のための救急車であり、緊急性の低い患者は原則的に対象とはしておりません。市内には7隊の「MEDIC-ONE」があり、この公的救急機関を有効かつ適性に活用するために、911通報により出動はしますが、緊急度が低いと判断された場合は、以後を消防隊に任せ速やかに次の出動に備えます。
残った消防隊は、緊急性が低い旨を患者様に説明し、民間救急機関による医療機関への搬送を希望するか否かを聞き、希望した場合は、消防隊から民間救急隊を要請し民間救急機関に患者様を引き継いだ後現場を引きあげます。
民間救急機関は全米にあり、シアトルでは「American Medical Response(アメリカン・メディカル・レスポンス)」(通称AMR)が民間救急業務を実施しています。料金は通常400$(約40,000円)とかなり高額ではありますが保険加入者は保険適用となっています。
「MEDIC-ONE」には「病院間転院搬送」という業務はなく。そういった業務は全て「AMR」がやっています。民間救急機関といっても、乗務している救急隊員は専門の訓練を受け、装備も公的機関の救急隊と変わりません。有料ですからサービスも良く、患者さんの細かい要望にもきちんと応え、市民からの信頼も厚いとのことです。
「MEDIC-ONE」も「AMR」も、市民がその利用方法を十分認識・理解しており、
公的救急機関「MEDIC-ONE」は、民間救急機関「AMR」のサポートを受けてこそ活動が可能となっているのです。
このように米国では公民一体となって市民の生命を守っているのです。
救命を主眼とする消防救急の円滑な活動を支援するため、消防救急対応外の移送ニーズに対応し、救急医療を支える一員として確立しつつある民間救急サービスにとって、当該改正法の施行は、まさに「時代の逆行であり」「命のリレー」を途絶えさせてしまう法律であります。
なお、厚生労働省医学食品局 総務課 ****氏が当連合会への回答の中で「現場において酸素ボンベに必要な酸素は、1時間いくらという事で販売されており、販売業の許可との関係で新たな問題が生じます。」と記されておりますが、
患者搬送車両に酸素を搭載しているのは、販売を目的としているのではなく、酸素を必要不可欠とされる患者様のニーズに対し、その移動環境を確保し提供すること及び、急変時における消防救急への乗せ替えまでに行なわなければならない救命処置等の必須資器材として常備していのです。
これらの状況をも十分理解していただき、医療用酸素ガスの確保・搭載を可能として頂きたく、切にお願い申し上げる次第でございます。
平成22年1月24日
衆議院議員
遠 藤 乙 彦 殿
全国民間救急サービス事業者連合会
会長 野 口 良 一
陳 情 書
薬事法の一部を改正する法律の施行(平成21年6月1日)に伴い、民間患者等搬送事業所では、医療用酸素ガスの確保が不可能となり、患者様の「命のリレー」が絶たれようとしています。
救急車の適正利用を全国的に訴えている昨今、その対策の一環として、緊急を必要としない傷病者の転院搬送等を、民間の患者等搬送事業所(民間救急)が行なう方向にあります。
緊急を必要としない転院搬送であっても、傷病者の状況により、搬送元の医師あるいは担当看護師が同乗し、酸素や点滴等の医療処置を継続しながら搬送するケースは少なくなく、特に人工呼吸器を使用している患者様の搬送に際してはその大半が酸素を使用しています。
投与流量が少なく短時間の搬送であれば、搬送元医療機関の酸素ボンベを積み込むことも可能ですが、高流量長時間搬送に必要とされる酸素の積み込みは諸事情により極めて困難であります。
転院等の移動手段を民間救急サービスに頼っている医療機関では、酸素供給装置が搭載されていることを前提に移送計画をたてているため、全国の民間救急事業所では、その絶対的必要性から全ての搬送車に搭載しています。
患者等搬送事業は、国土交通省の一般乗用旅客自動車運送事業患者等搬送許可及び平成元年からは総務省消防庁の指導基準に基づき所轄消防本部の認定を受け、消防救急対応外の搬送を担ってきました。
他国では公的救急と民間救急が一体となって救急現場に出動し市民の生命を守っているという今日、国内ではこのような法律の壁により日本の民間救急の存在をも否定されようとしています。
救命を主眼とする消防救急の円滑な活動を支援するため、消防救急対応外の移送ニーズに対応し、救急医療を支える一員として確立しつつある民間救急サービスにとって、当該改正法の施行は、まさに「時代の逆行であり」「命のリレー」を途絶えさせてしまう法律であります。
これらの状況を十分理解していただき、医療用酸素ガスの保有・搭載を可能として頂きたく、「薬事法の一部を改正する法律の施行」に関し、適用除外等の措置を速やかに実施していただきたく陳情いたします。
2010年12月20日(月) 21:30
厚生労働省
医学食品局 総務課 飯村氏 ℡03-3595-2377
問い合わせ:
民間の救急車両に酸素ボンベを携行することが出来ないか?
回答:
現場において酸素ボンベに必要な酸素は、1時間いくらという事で
販売されており、販売業の許可との関係で新たな問題が生じます。
(薬事法二十四条)
代替案として、医療機器の一つである酸素濃縮装置が使えないか
検討しているところです。
こちらであれば医療機器の賃貸としての対応が可能となり
(二十四条の問題は生じない)
しかも医科系大学の卒業生であれば使用出来る利点もあり、
普及できるのではないかと思っています。
ただ、この装置が車の振動に耐えうるかという問題が残っており、
メーカー側としては恐らくこの問題はクリアー出来ると思うけれども、
もう少しデータを集めたいと言っております。
添付書類:薬事法二十四条
薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、薬として、医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列(配置することを含む。以下同じ。)してはならない。ただし、医薬品の製造販売業者がその製造等をし、又は輸入した医薬品を薬局開設者又は医薬品の製造販売業者、製造業者若しくは販売業者に、医薬品の製造業者がその製造した医薬品を医薬品の製造販売業者又は製造業者に、それぞれ販売し、授与し、又はその販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列するときは、この限りでない。
2 前項の許可は、六年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
【理想の民間救急車を求めて】
「安全・安心・快適・清潔な移動空間の提供」という全民救の理念に基づき、東日本事務局を担当している関東民間救急センターでは「理想の民間救急車を求めて」というテーマを掲げ、医師や看護師、仮装メーカー等々の協力により、高規格患者搬送車を作り上げました。
全民救では、会員及び全国の民間救急車を運行している事業所様に今後の車両作りの参考になればと思い、ここに紹介いたします。
1、病院の特別室をイメージした木目調の室内「コンセプトは移動する特室」
2、後部座席2席はリクライニングの回転シートとなっていますので、前後方どちらにでもセットできます。
3、横向きシートは幅80㎝、長さ180㎝の4人掛けで、付添者もゆったりと横になれるスペースとなっており、ベッド柵も取り付けられます。
4、横向きの座席シートの下は収納庫となっています。
5、運転席後部を全て収納スペースとし、用途別に資機材を整理できます。
6、点滴フックは3か所設けてあります。
7、ストレッチャーはファーノ社のエクスチェンジを使用しています。
(図1.左参照)
8、酸素・吸引・心電計・血圧計・SPO2モニター・AEDは最も使いやすい位置に配置し、その上部に蛍光灯を取り付けました。
(図1.右参照)
9、頻回に使用する手洗いはやや大きめなシンクを取付け、新幹線をイメージした窓を取り付けました。
10、シンクの隣にはダストボックスとなっています。
(図2.左参照)
11、酸素ボンベは1500ℓを4本搭載できます。
12、過失流量計は2基、共に10リットル/分まで可能です。 (図2.右参照)
13、TV・DVD用大型モニターを設けており、サウンドスピーカーはboseを取り付けました。
14、運転席後部にカーテンによる仕切りを設け患者室のプライバシーを考慮しました。
(図3.左参照)
15、ストレッチャー最後部から車内最後部までの長さを30センチ確保し、大腿や下肢等の骨折時に使用される架台スペースを十分取れるようにしてあります。
16、横向きシートの下の奥行きを10センチとることにより座維の安定により疲労の軽減を図りました。
17、プラットホームは、ステップとして利用していますが、ストレッチャーの跳ね上げを容易にします。
(図3.右参照)
18、ストリッチャー両サイドのベッド柵を利用者の上肢スペースを拡大するため、左柵側にリラクスペースを設け、右柵にはアクリル板を取り付け水平位置で固定できるようにしました。
(図4.左上参照) (図4.右上参照)
19、照明は大型蛍光灯2基とダウンライト2基を取り付けました。大型蛍光灯内にはLEDの小電球が入っていて、目に優しい灯りにこだわりました。
20、資器材棚を照らす蛍光灯も取り付けました。
(図4.左下参照)
21、インバーターはpower titeを搭載、連続1000w可能
22、100Vコンセントは室内に6小口取り付けてあります
(図4.右下参照)
23、換気扇は2基取り付け、瞬時の換気を可能にしました。
(図5.左参照)
24、カラーリング
(図5.右参照)